綴る

タイムトラベル

久々に篠原紙工のHPを更新しました。
「いいかげん折り」の誕生ストーリーについて。この折加工が生まれたのは2011年。もう10年以上も前のこと。私が入社する以前のお話ですが、のちにこの「いいかげん折り」誕生秘話について聞いた時には、なんて創造性あふれる話なんだ、と感動をしたのを覚えています。お客さんから頼まれたことを一旦咀嚼して自分の中に落とし込んで仕事をする会社なんだな、と思ったのを覚えています。

今聞いてもデザイナーの祖父江さんとのやりとりが想像できて面白いお話ですけれども、私の中の篠原紙工の歴史を考えるとすっかり過去の「良き思い出の紙加工作品」という感じがします。文章を書きながら、折加工の作品を目にしながら、愛おしさは感じるのですが、それ以上の新鮮さはもう出てきません。

当時は工場見学に来てくださった方々にこの話をするのが楽しかったのですが、今の自分はこの話はもっとさらりとライトにするかもしれない、もしくはしない可能性の方が高い。自分の中ではすっかりと過去になった証ですね。そんな自分の中の変化を観察しながらこれってすごく今を生きている気がするな、なんて思いましたよ。

もちろん、文章を書いている時はその当時のモードになって、グっーと自分の内側に集中するのだけど、書き終わった瞬間「はい!ただいま。今現在に戻って来ました!」て心の中で叫びました。例えるとゴムをぐーっと長く伸ばされて、バチン!と手を離されて戻って来た感じ。タイムスリップしていたかのような感覚でした。もしかしたら書いている時の自分のマインドは本当に時空を超えて過去に戻っていたのかも。

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