綴る

自分を知る

篠原紙工は5月に新しい期に入りました。子供の頃の新学期が始まるのとはちがって、各会社それぞれ何月かちがうところがいいですね。一斉だとソワソワしてしまいます。2023年はもう半年!過ぎたけれど篠原紙工のお仕事面での新たなお正月を迎えた気分です。この機会にメンバーみんなで集まり、今後のことを話し合ったり、篠原紙工で働く上で意識してほしいことを話しました。(もしかしたら、こういうのを社訓というのかな…)

その中に「自分を知る」という言葉があります。会社運営をしていく中で仲間意識はとても大切で、それら人間関係が全てといっても過言ではないくらいだと私は考えています。その人間関係の中の最小単位「自分」というところが大きなポイントだと思うのです。自分が(今は)どういう人間で、 なにを大切にしていて、どんなことで感情や心が動くのか。まずは自分のことを知らないと相手や会社と本当の意味での深い関係構築は難しいと思うのです。

でも自分を知るって簡単なことだとは思っていません。そう、なかなかむつかしいものです。生きていると、自分より社会的概念や相手を優先する場面は数えきれないほどありますし、放っておいたらいとも簡単に自分以外の軸で生きてしまうことになります。そのうちに自分が一体何者なのかわからなくなってきてしまうというループなのだと思います。

それならば自分をいつも最優先にしたらいいのか、という短絡的なことではなく、どんな状況でもそっと静かに心の中で自分は今どんなことを感じてるかな?という自問自答、自己対話をすることを忘れないでほしいと伝えたいのです。どうかあきらめないで、その小さな気持ちの動きを感じ取ることが自分を知る第一歩だからです。

自分に惨めさを感じたということは、何かそこに自分の深い課題が潜んでいるといこと、自分の無力さを感じるのであれば改めて学び、自分の行いを見直す機会、ダサい自分が出てきたら万歳、ショックが大きければ大きいほど自分を知るチャンスです。起こった事実の中からより良い自分をつくるヒントを掴み取るしかないのです。

一人ひとりが自分と向き合っていればその組織の結びつきは強く有機的な関係ができるのではないか、と想像しています。三角形の組織ではなく、輪の形でお互いに切磋琢磨し合いながら自分の人生をより良く生きようとしている人が集まる会社。今の私にはそれが理想です。自分以外の何かのせいにする前に、まずは「自分」。少しでも伝わっていますように。

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