綴る

「ボール紙見本帳」ができました

久々に自社の紙文具でもなく、本でもなく、クライアント案件ではないもので、コツコツと制作していたものがあります。それは、「ボール紙見本帳」。
ブックデザインや製本に関わっている方ならとても身近な紙と思われるかもしれませんね。本や箱の芯材として使われる紙の種類のひとつで、厚みがあり固く板紙ともいわれます。

私たちはそのボール紙の中のグレーの色をした「チップボール紙」をよく使っています。あえて芯材をむき出しにしたデザインの装丁などをする際に大変お世話になっている紙です。あまりにも身近すぎて、硬い芯材=チップボールと簡単にひとまとめにして社内では呼んでいましたが、この度、見本帳の制作にあたり、芯材に使われるボール紙(板紙)も色々あること、紙の種類や名前もきちんと整理、再確認することができました。そして、いつも使っている紙という素材に感謝と敬意を込めてボール紙見本帳の完成です。

写真集、アート本、冊子、どんなものでも紙選びは本を制作する上でとても大事な工程のひとつ。紙は直接手に触れるものですし、どんな紙を使うかで本の個性も大きく決まります。コンセプトやデザイン、目的や予算など色々な条件のもと、紙見本帳をデスクに広げクライアントと相談しながら本づくりをするのは楽しい時間でもあります。
紙見本帳はいわば私たちにとっての大事な仕事道具の一つ。ところが、目に見える部分の紙の見本帳はたくさんあるのですが、芯材など隠れてしまう部分の紙の見本帳は、(全くないというわけではないのですが、)あまりなく、それならば篠原紙工でつくろう ! ということになりプロジェクトをスタートしました。

ボール紙見本帳の編集はT&M Project の松本知己さん、デザインはYUTA Design Studioの中島雄太さん、篠原紙工の共同制作です。このお2人と篠原紙工のメンバーとのアイデアや知恵の出し合いもとても面白いのでまたこちらで綴っていきますね。

見本帳は篠原紙工のSTORESで予約販売、そちらには加工の詳細も書いてあります。チェックしてもらえたらとっても嬉しいです!

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