綴る

会社案内

篠原紙工の新しいホームページが公開され、早いことに1年が経ちました。
2年前くらいからアイデアを出し、自分たちの仕事や在り方について改めて考え直していました。それと同時進行で会社案内も作っていました。ホームページを紙媒体で表現したものが私たちの会社案内です。その紙の本が、遅ればせながら遂に完成いたしました。今までお世話になった方々、これから関係性を深めていくであろう方々へ日頃の感謝とご挨拶の気持ちを込め、新しい風が吹くかのように、お手元に届いていることを願っています。

ホームページと会社案内を新しく。
ここまで長い道のりでした。
全体のアートディレクションは谷内晴彦さんとデザイナーの木村薫さん。(https://desegno.ltd/ ) 代表の篠原慶丞とこの「綴る」を書いている私、田渕智子。 主にこの4人のメンバーで話し合いながら進めていきました。篠原紙工の先代時代に遡り、篠原が現場で働いていた時や専務時代の話、そしてここ数年の篠原紙工になるまでの過去を振り返り、今現在とこれから先をどうしたいか?という議論を交わしました。

自分たちにとっては日常すぎて当たり前のこと、例えば作業であったり、日々の仕事の進め方、考え方、溢れる物、これまでの制作物、等々…。どんな些細なことでも谷内さんが拾い集め、その後に木村さんと話し合い、次の打ち合わせではその持ち帰った事柄を私たちの新たな強みとして生まれ変わらせることを一つ一つ丁寧にしてくださいました。その積み重ねの結果が一見今までと何も変わっていないようなデザイン、でも見えない部分では確実にデザインの力で全てが新しく、洗練されたものに生まれ変わっている。変えることばかりがデザインではなく…。うまくお伝えできないのですが、「変えないデザイン」という言葉が私の心に印象的に残っています。大事なことは何かを大きく変えることではなく、今既にあることデザインの力で整えること。今回の篠原紙工はそこにエネルギーを注いだ気がします。

会社案内の本文はホームページの内容とほぼ変わらないのですが、製本をデザインする、ということをテーマに本の随所に製本ならではの仕掛けが散りばめられています。奥付にはどうしてこのような形になったのか、という解説も添えられておりますが、まずは何も考えずに手に取っていただき、制作物の内容はもちろん、紙質やページをめくる感覚、心地よさ、違和感、全てを感じるままに、自由に感じていただければ嬉しいです。

最後に、ホームページも会社案内も作っている間、納得する答えがすぐに出なかったり、なんとなく格好つけた答えになってないか?と影の部分に向き合うことも多く大変でしたが、作っている最中は不思議なことにとても心が満たされる感じがありました。そして、「これでいい」とOKサインを自分にも会社にも出せた気がします。些細なことの積み重ねですが、丁寧に一歩一歩、篠原紙工を育んでいきたいなと思います。




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