綴る

アートブック、ブックアート、

晴れたり雨が降ったり。想像していたよりも変化の激しいカリフォルニアの空。CODEX の会場はとても広く大きく、体育館のような場所でした。

ワンフロアだけなのですが、そこがとても広い。たくさんの 製本家/bookmakers たちがテーブルを並べて各々の世界観を出していました。1日かけて一周し、翌日からじっくりテーブルに立ち寄るという計画。

会場を見まわして、ざっくりの感想はというと、販売している感が薄く、展示者は作品を語るのが一番の目的のようでした。ZINEなどのブックフェアとはまた違って、アーティストや製本家自身の作品性が強く、部数も少なく、価格を訊ねると何十万の世界。2023年の東京アートブックフェアに参加した時は、お金が動いていたのがその場で見れましたし、各テーブルがお店のように見せることにもエネルギーを注いるようでした。(もちろん私たちも)でも、CODEXの展示者たちはテーブルに作品を置いてあるだけの人も多く、会場全体もどちらかというと質素。本そのもので対話しよう、語ろう、という印象で、話しかけるとどの方もとてもフレンドリーに熱く本のことを話してくれました。

出展者との会話の中でも、何度か東京やNY、L Aのアートブックフェアのことが話題に出たのですが、「ZINEなどがメインのフェアと僕たちのもの(製本)はちょっと方向性が違う。CODEXはよりアート性が強いんだ。」と。主に誰がこれらの作品を買うのだろうか…そんな質問を投げかけてみると、大学、美術館、図書館やコレクターが中心だそう。大学といっても美大芸大だけでなく、その他の学部の大学機関でも。例えば、その地域や土地のことを書いている/描いている アートブックは資料として活用すると話してくれました。「日本は厳しいようだね、僕の知ってる日本人アートブック作家は僕のところに(出版社) 相談がきたよ。」確かに日本にこのような「本」そのものをアートとする文化はまだ弱いですね。

篠原紙工にいると、アートブックに近い本に触れる機会が多いし、去年の東京アートブックフェアのブースの一部は少部数で作品性が高いものも展示されていたのは記憶に新しい。日本でもこのような、アートブック/ブックアート?のカルチャーが広がるともっと面白いことが起こるかもしれない。篠原紙工からもっと色んな本があることを紹介できたらいいですね。アートブック、ブックアート、アーティストブック、単語も私の中でまだ定義が定かではないのですが、それはこれから整理していきたいと思います。

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