Tsuzuru

予期せぬ出来事

先日、東京のある地区で地域情報を発信をしているという方に出会いました。お互い仕事の話になり、製本会社に勤めてますと言ってもピンとくる方の方が少ない中、その方は即座に理解してくださり、会話をスムーズに始めることができました。

私の経験ですが、紙、印刷、製本関係の仕事です、と伝えると、みなさん「これからますます紙媒体は大変だね。」という感じで会話が始まるのですが、その方の第一声は「すごいクリエイティブな世界にいるね、」と…。思わずその方の声に耳を傾けて聞きいってしまいました。

「確かに僕らみたいな日常の情報を発信するのに紙は必要ないかもしれないけど、自分がこれだと思って得たい情報、しかも頭と心に刻印するような読み物はやっぱり紙になると思う。五感に訴えるものが本になると思うんだよね、全てじゃないにしろ、こだわる人はとことんこだわるはずだから、紙媒体の本を作るところなんてめちゃくちゃ貴重だし、面白い世界になるよね。」

さらりとおっしゃったその言葉が印象的で思わず机の上にあった紙ナプキンに単語をメしたところ、その方は笑いながら「紙に言葉を書き綴るところ見ても、きっと君はその会社があってそうだね。」と。私の仕事のことは詳しくは語りませんでしたがこんなところで自分が出てしまうとは思いもせず、面白い経験でした。

その日はひとりで考えごとをするために、前から気になっていたお店にふらりと行き、思う存分ぼーっとしてこようと計画していたのにも関わらず、見知らぬ方から声をかけられ、想定外のギフトをいただき、とても不思議な日でした。
本を作りたい人はきっとまだたくさんいて、私たちも本を作りたい人たちが増えるように常に魅力ある会社でいたいと思い直した日でした。

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