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6月フリーマーケット「かみのいち」開催します

突然ですが6月14日(土) 11:00-17:00 篠原紙工の工場の1階と外の駐車スペースを使って小さなフリーマーケット「かみのいち」をやります。雨でもやります。
工場で使わなくなった工具や文具、製本に使うクロス、余り紙、活字、小棚など色々あります。製本会社なので大きいサイズの余り紙は適度な大きさにカットしてお渡しするサービスもご用意しています。出品物はここでは断定できないのですが、篠原紙工の中身をちょっとのぞいてみたい、どんな人が働いてるの?本づくりの相談もちょっと話してみたいな、などなど、どなた様もお気軽にお越しくださいませ。

なぜ、突然フリーマーケットなのか。
図書室ができてから、ご近所の方々に「デザイン会社の打ち合わせスペースができたのだと思った」とか「前からこの建物はあったのは知ってるけど、なんなのかよくわからなかった。」とか、「製本?へー本を作るの。出版とは違うの?このご時世で紙の本はきっと大変よね。でも紙ってやっぱりいいね。」とか、お話しする機会がありました。そんなことがあってか、シンプルに大島5丁目のご近所さんに篠原紙工ってなんの会社なのかを知ってもらうのもいいかもと思うようになりました。フリマはご近所への挨拶がわりとでもいいましょうか。

篠原図書室をオープンしてから約4ヶ月。図書室は道路に面し、入り口は中の様子が見える大きなガラスドアです。私も図書室の番頭をしているとそのガラスドアから大島5丁目周辺の日常風景が見えてきました。自転車で颯爽と駆け抜けながらも図書室をチラ見していく人も多く、小さな子供はガラス越しに機械や図書室を見ていたり。ある時は道に迷って入ってきたおばあちゃんも。毎日同じ時間に犬の散歩をしている人や、首輪をしたどこかの飼い猫もときどきウロウロ。目の前のカラオケ喫茶スナックのママと会釈するようになったり。

大島は目立ったお店もなく、こぢんまりとした地域です。仕事が大島でなければ通りすぎてしまうと思う。正直なところ、魅力がある街なわけでは、ない。でも、住宅街に自分の勤務先である工場が佇まさせてもらっている、という謙虚な捉え方をもう少ししてもいいかもしれない、と思うようになりました。(勤務10年目にしていまさらなのですが)全く騒音を出さない工場というわけではないですし、昔は社員のタバコの件で近所にご迷惑をかけたこともありました。でもそれ以外は大きなトラブルもなく平穏無事に仕事をさせてもらっています。私たちは場所がなければ仕事ができないし、工場はおいそれよと簡単に引越しはできません。地域貢献とかそんな大それたことはで全くないのですが、感謝の念は改めて持ちたいと思います。

そんなことを考えながら、図書室のガラスドア越しから大島に住む人々の日常に篠原紙工がちょっとでも入り込んだらどうなるか、と考えるようになりました。毎朝、大島駅に行く際に図書室の前を通るのはちょっと気分がいい、とか、中の様子が少し変わったな、なんだか面白そうだな、とか。通る人の目や心を惹くことができたら。そんな風に誰かの日常に極小な喜びがつくれたのなら…素直にいいじゃないか、と思います。私たちは「ビジネス」としては紙の本をつくることがメインですが、本業の製本以外でも篠原紙工という会社の存在を通して誰かを、世の中を、少しでも豊かにすることができたら幸いですし、私も篠原紙工でそういうことがしたいと思っています。それに加えて若いメンバーも増えたので、フリーマーケットは社内にとってもいい経験になりそうです。相変わらず非効率的な宣伝ですが、ご近所だけでなく、遠方どこからでも、これを見た方々が来てくれたら嬉しいです。

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