ねほりはほりな打ち合わせ
篠原紙工に初めて製本の相談をされる方々は、もしかしたら「なんでこんなに話をするんだろう…」と思われた方々もいらっしゃるかもしれません。篠原紙工では自分たちが手を動かしてつくったものが最終的に何に使われて、どんな人のもとに届くのかを知った上で手を動かしたい、というのが心にあります。
このデザインにされた理由は…
お客さんの先にもお客さんがいらっしゃる?
予算はどのくらいでしょうか…
プロジェクトのコンセプトを教えていただけますか?
…お互いに自己紹介しましょうか。
質問多め&自己紹介など、製本会社としてはマイナーな打ち合わせかもしれませんが、相手を知って、自分たちも知ってもらってからではないとものづくりへの着手はむづかしいのです。私たちは機械の延長のような働きもしますが、物の機械ではないので、相手の気持ちとか、人となりとか、熱意とか、背景にあるお話など、そういうものもエンジンとします。なので、相手が本当に望むものはなんだろう?と本音に限りなく近づくようにとアンテナを貼っています。プラス、篠原紙工の立場としては、相手の要望や予算や想いなどをぜんぶ知った上での方が色々と総合的な提案がしやすいのです。
打ち合わせの楽しさというのも大事ですよね。楽しく話していたら、なんだか最初に考えていたものよりも面白い案が出てきた、ということも多々あります。と、ここまで書いている私はお客さんとは対面しないので大口は叩けないのですが、いつも思うのは「心を使って話し合う」というのは本当に大切だなと。
話し合っているうちに本音が出てきたり、実は自分でも密かに傍に置いていて見えなくなっていた希望要望が出てきたりと。お客さんの中でもよくあるのが、話しているうちに「でも予算がなぁ〜」と漏らすひとこと。その言葉が出てきたらお決まりのように、「いったん予算のことは忘れて希望を話してもらえますか?」というセリフなのですが、制限を外して考えてみる&話すというのはすごく大事で、本当の望みを知る手掛かりになりますし、その究極の質問でワクワクするような答えが出てこないということは、実は現状にそんなに不満があるわけでもないのかも?と冷静に考えられたりして。何かしらのヒントがそこにはあるような気がします。
製本の打ち合わせ、仕事といえども仕事の打ち合わせらしくない、というのが篠原紙工の特徴でもあるなーと思いながらお茶出しをしていました。昔。今は私は図書室にいるので、直接お客さんとはお会いできていないのですが、ここ最近、お問い合わせの数は増えているとメンバーからは聞いています。もしかして初めてお打ち合わせされる方もいらっしゃるのでしょうか?オープンマインドでどんなものをつくりたいか、ぜひお気軽にご相談ください。私たちも色々質問してしまうかもしれませんが、きっと有意義な時間になると思います!