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和綴じ(土偶・布偶)

制作年:
2014
クライアント:
株式会社アイワード
技術名:
和綴じ

プロジェクト概要
岡山県倉敷市にある倉敷意匠アチブランチにて行われた「祈りのかけら」という展示会の図録製本のご依頼をいただきました。倉敷意匠タナベシンスケさんが収集した縄文土偶のコレクションと柿渋染め作家・冨沢恭子さんが土偶をモチーフに柿渋染めの布で造形した「布偶」の展示会。今回制作した図録では作家が染めた布を綴じ込んだ「和綴じ」を採用し、縄文時代の世界観を1冊の図録に封じ込めました。 


watozi_2.JPG技術説明

平安時代から続く、日本の伝統的な製本技法である和綴じ。のど部分に目打ちで穴をあけて糸で縫う綴じ方で、1冊ずつ手作業での製本になります。今回はデザイナーのサイトヲヒデユキ様の、図録収録作品に使用されている作家本人による一枚一枚違った柿渋染めの布を図録自体にも使用したいとのご要望から、表紙と裏表紙に布を綴じ込みました。綴じに用いた糸も、柿渋染め作家・冨澤さんの手によって今回の図録のために柿渋で染色されたものです。

その他
今回、東京製本高等技術専門校で1年間かけて伝統的な製本技術を学んだ職人が製作しました。仕様決定の際は、製本担当スタッフが直接クライアントと打合せを重ねてご要望をヒアリング。普段の機械を使った綴じとは違い1つ1つ手作業での製本のため、機械のスペックに限定されない柔軟な対応が出来ました。図録に収録された作品と同一の素材を綴じに盛り込むことで、作品の世界観が1冊の図録から滲み出るような仕上がりになりました。今後も篠原紙工では、現代の視点で伝統的な製本に取り組むことで、新しい製本様式を模索していきます。
watozi_3.JPG■デザイナーのサイトヲヒデユキ様からのコメント
篠原紙工さんは私の変わった思いつきを「無理かな?」とぶつけても、いつも「やりましょう!」返してくれます。今回の様な和綴じを利用して作家の作品を綴じ込むという、前例がない新しいモノ作りや手間のかかる手製本の提案に対しても、嫌がらずむしろ面白がってくれる、こだわりを持った若手の職人さんが対応してくれます。表と裏で違う布を使ったり、試作で持ち込んだ四つ目綴じのバランスがよくないので六つ目にしてほしいという難題も果敢に引き受けてくれたり。また、綴じ糸と布の相性が悪かったので、糸を持って帰って染めたいという無理な話も快く待ってくれました。試行錯誤を重ねて、イメージ通りの形に仕上げる信頼のおける現場です。

[仕様] 
用  紙 :  <表紙>アドニスラフ70 A判Y目 38kg
.        <遊び紙>はまゆう 四六Y目 26kg
印  刷 : 両面4c
製  本 : 和綴じ
作成部数 :300部 

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