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糸綴じノート 2種類

制作年:
2014
クライアント:
KAMAISHI LETTERPRESS
技術名:
中ミシン綴じ

プロジェクト概要
「足りない活字のためのことば展」という展示会の販売用ノート制作のご相談をいただきました。東日本大震災で被災した岩手県釜石の印刷会社にあった古い活字をテーマとする展示会で、ノートに活版印刷を施すという事以外はどのようなノートにするか決まっていなかったようなのですが、弊社の工場を見学された事でインスピレーションを沸かせ、ユニークなアイデアを2種類ご提案いただきました。企画者の方が提案したイメージにぴったりと合った紙は、今回のご縁をつくって下さった平和紙業株式会社様に選定していただきました。弊社では、企画者の方のイメージと素材(紙)が最大限に引き立つ様な加工方法を模索し制作しました。

技術説明
DSC_4974_2.jpg①「うみとそらを分け合うノート」…2つのノートが、小口が向かい合った状態で2枚の板紙に挟まれており、板紙の真ん中に走るミシン目をアイスモナカのように「パキッ」と割って使うことが出来ます。パキッと割る時の心地よい感触にこだわり、紙目やミシン目のピッチなどのバランスを調整。数回の試作の結果、何度も割ってみたくなる感触を実現しました。 2つのノートを板紙に貼り付ける際にはズレと反りが生じないよう、1枚ずつ慎重に手作業しました。
表紙:ニューズ(バニラ)/309.5kg
本文:まんだら(ぐんじょう、かめのぞき、はいじろ、あおふじ、みずはなだ、じゅんばく)/薄口(51.6㎏)

② 「もじと、ことばと、かたちなど」 ノート …ページが上段・下段の2つに分かれており、下段のみミシン目に沿って切り取ることができるノートです。枚数・質感の異なる紙を上段・下段にわけて中ミシン綴じ。高度な技術を要する加工でしたが、担当した職人も満足いく仕上がりになりました。
表紙:ディープマット(コルク)/180kg
本文:(上段)SPS-N/45kg (下段)グラフィーCoC(パールホワイト)/70kg

DSC_4971_2.jpgその他
紙媒体ならではの豊かな「感触」と「視覚」を存分に活かしたノートを制作する事ができました。篠原紙工ではこの先も同様に、手に取る人の五感に訴える製品作りを目指します。
ノートの詳しい説明はこちらのPDFをご覧下さい。
note_setsumei.pdf

■ 活字ユニット KAMAISHI LETTERPRESS プロデューサー 坂井さんからのコメント
①「うみとそらを分け合うノート」 【版画作家 溝上幾久子さん考案】
溝上さんの「アイスモナカのように、パキっと割れるノートにしたいんです」この一言にはじまったこの企画。「モナカ感」を探求するため、目方向やミシン目のピッチを何通りもテストしていただき、ものづくりの本来の楽しさを味わうことができました。展示会場で触れた方からは、たくさんの驚きの声が。アイデアと技術、そしてやさしさのかけあわせから生まれたどこにもないノートです。

②「もじと、ことばと、かたちなど」 ノート【デザイナー 宮下明日美さん考案】
ことばやデザインを創作する人の気持ちを汲んでつくられたこのノート。「くらべる」「トレースする」「人に情報を共有する」など1冊で様々なことができるようにしたい故、難しい製本をお願いしてしまいました。糸とじ・折り・ミシン目入れ・断裁といった1つ1つのハードルを、「おもしろい」「かわいい」をモチベーションに乗り越えてくださった若手のスタッフの皆様にも感謝しています。

■足りない活字のためのことば展 とは…以下 URLをご参照ください。 
http://www.art-eat.com/past/?cat=183  

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