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写真集「NUDIST」

制作年:
2016
クライアント:
株式会社BRICK
技術名:
糸かがり製本、寒冷紗貼り、色付き天のり

■プロジェクト概要
NUDIST2.jpgフォトグラファー 金子親一氏の写真集の製本を担当しました。今回の写真集のデザインは、 N.G.Inc. 代表の永井様が担当されており、書籍の装丁に関してご本人から細部に至るまでデザインイメージを共有させていただきました。ラベルを剥がしたプラスチックボトルの造形と色彩の美しさを表現した今回の写真集はいわばボトルのヌードの写真。それを表現する為に用いた造本ポイントの1つは、本の背にあたる部分に貼り合わせる黒い寒冷紗でした。(寒冷紗とは、製本の綴じ部分を補強する為に使用する粗い網目状の布のことです。)ボトルのヌード写真に合わせて冊子自体に妖艶な雰囲気のデザインイメージを持たれており、その雰囲気を出す為に寒冷紗の採用をご希望。女性のストッキングを連想させるような雰囲気を持った冊子をイメージされていました。その為 ただ寒冷紗を貼れば良いというわけではなく、女性のストッキングの様な滑らかな軌跡と張りを表現する必要がありました。寒冷紗を綺麗に貼るだけでなく、完成した本を手に取った人が本から受けるイメージを寒冷紗の貼り方の微妙な差で調整する必要がありました。

■技術説明
製本は一般的な糸かがり製本です。糸かがり製本の工程の後、背部分に黒い寒冷紗を貼る工程へ。最初、普通の糊で貼った時は寒冷NUDIST3.jpg紗の網目が微妙に歪み、ストッキングのような妖艶なイメージからは少し遠いものになってしまいました。 そこで、デザイナーの永井様に本番の作業に立ち合っていただき、寒冷紗の貼り方を工場にて模索しました。当社から出したいくつかの案の中から寒冷紗を貼る糊に黒い顔料を混ぜることで背部分を黒くする方法を試みました。黒い糊で寒冷紗を貼ることで布目の歪みが目立たなくなり、黒い糊が乾燥したときに現れる光沢と寒冷紗の網目によってデザイナーの希望するイメージに近づける事が出来ました。最終工程の本文に表紙・裏表紙を貼る際も一工夫加えました。本文が白い紙で背部分と各表紙の隙間から白い本文がのぞいてしまう事を防ぐ為に、この接着にも黒い顔料を混ぜた糊を使用することで全面黒くなり、白い部分が出ることを完全に解消しました。

■その他
今回、デザイナーのイメージしているニュアンスを自分たちで解釈し、どんな技術を用いてそのイメージに近いものを完成させるかが難しい案件でした。結果的にクライアントの方に満足していただける仕上がりになったのは、これまで沢山のデザイナーの方々達と仕事をする度に製本を通して何を伝えたいのかを共有しながら製作をしてきた経験があったからこそだと改めて認識しました。今後もクライアントのイメージに最大限近づけられる製本を目指し邁進してまいります。
NUDIST1.jpg■デザイナー 永井様からのコメント
仕事をする上で、現場はとても大事にしているし、好きでもあります。デザイン作業というのは、計画する事は必須ですが、思った通りにいかないことも多々ありますね。そこで何とかしてくれる、現場の心意気と言ったらいいんでしょうか、良いものを作ることに対して貪欲な人たちと仕事をすることが良い結果をうむのではないかと考えています。
進行管理ご担当 株式会社BRICK 松本様からのコメント
素晴らしい印刷物(作品)が出来上がる時は、クライアント  デザイナー・用紙・印刷・製本にかかわる人の情熱が一つになった時。 

【仕様】
作成部数:900部
判 型:B4
用紙:<表紙> クロコGA 四六 210kg 
.   <本文> ガリバーグロスハイホワイト 四六 135kg
頁数:表紙+本文80頁 
製本:糸かがり製本
加工:寒冷紗貼り、色付き天のり(黒) 

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