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『耳無芳一の話』いいかげん折り冊子

制作年:
2011
クライアント:
株式会社グラフィック社
技術名:
いいかげん折り、アイレット綴じ

_DSC1225.jpgプロジェクト概要
自社開発にも掲載しておりますが、ブックデザイナー 祖父江さんと株式会社グラフィック社編集部 津田さんからの提案で生まれたいいかげん折り。「こんな折り方できないかな。」とくしゃくしゃと丸めた紙を手に提案をいたいたのが始まりでした。『きれいに揃えて折る』という、今までの折りの概念をひっくり返すような折り方。専務の閃きと共に、斜めにぐちゃっとした折りへ挑戦し、何度とテストを繰り返し、いいかげん折りが出来上がりました。(いいかげん折りが出来上がるまでの経緯の詳細は、自社開発での「いいかげん折り」と下記添付のPDFファイルをご参照下さい。)当初、折りのみの冊子を作製する予定でしたが、「耳無芳一の話を耳あり製本で!」という面白い発想から、アイレット綴じに変更。更に、物語を読む際に1ページづつをカッターで切りながらぞくぞくする話を読んで欲しいという案から、敢えて袋状のままの完成となりました。

技術説明
通常 折り機は、まっすぐ綺麗に折る為に設計されているので、斜めに折ることは出来ません。しかし、ちょっとしたカスタマイズを行う事で斜めに折ることが可能に。一つ一つの斜め具合は小さいのですが、この斜めの折を何度か繰り返すことでいいかげんさを表現しました。
機械のカスタマイズだけでなく、紙と機械を自在に操る卓越した職人技術があればこそ可能な折り方です。
また、本来 折の生産性はとても高いのでそれと比較すると速度は落ちますが、それでも機械での生産らしい速度での生産性を保てています。
余談ですが、折る回数が多いのであまり厚い用紙の使用は不向きです。(90kg程度までをお勧めします。)

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その他
今まで弊社で開発してきた新技術は技術的に難しい事への挑戦でしたが、今回のいいかげん折りは、ちょっとした発想の転換、新しい視点での取り組みでした。このいいかげん折りによって、弊社の新技術開発に関する視野がまた新たに広がりました。
今後、何パターンかのデザインテンプレートを作成、提供することでより使いやすくしようと考えております。例えば、ずらした部分をインデックスとして使用したり、折り方自体に変化を加えて新しいデザインを訴求したり。。。出来上がった製品を取引先のお客様に紹介させていただきながら、更に様々な表現の可能が広がります。

ちょっとした工夫が、大きな可能性へと広がる案件に携われ、嬉しく感じております。今回このお話をいただきました株式会社グラフィック社編集部 津田さんとブックデザイナー 祖父江さんに心より感謝いたします。お二人より出来上がった製品に対してこんな感想をいただきました!ありがとうございます。

☆祖父江さんより
「いいかげん折り、周りの人にも大好評! 機械にいいかげんができるなんてすごいねぇ。杓子定規かと思ってた機械にも、話せるヤツがいたんじゃん! 今回、機械と仲良くなれたようなフレンドリーな感じがしました。機械には到底できなくて、人の手で折るしかないかと思っていたのに。こんなにピシッといいかげんに折ってくれて、うれしいです!」
☆津田さんより
「いつも、機械折りで斜めに折れないのかな? ということを考えていましたが、いろいろな会社で『それは無理です』と言われてきたので、今回、篠原さんが『やってみましょう』とおっしゃってくださって、かつ本当に(それもすばらしく!)できて、本当にうれしかったです。紙工会社さんから見たら『……ヤレ?』と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、デザイナーや編集者は『これ、やってみたかった!』と思われる方は多いと思います。水平垂直だけじゃない折り、これからより注目が集まると思います。」

デザインのひきだし_いいかげん折り掲載記事.pdf

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