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magma's作品集

制作年:
2018
クライアント:
株式会社モーフィング
技術名:
PUR無線綴じ、合紙、ドイツ装、デボス加工

■プロジェクト概要
以前より面識のあったデザイナー遠藤様より、今回の書籍は製本仕様の企画から一緒に考えてもらえる会社で印刷製本をお願いしたいという理由から当社に相談をいただきました。「杉山純」と「宮澤謙一」によるアーティストユニット「Magma」の作品集の印刷と製本のご相談でした。初回の打ち合わせでは、製本方法は全く未確定の状態でしたが、ヒアリングを進める中で「Magma」の生み出す世界観と体現するような本=「一見したら本らしくない」「物質感」という2つのキーワードが出て_N9A5940.JPGきました。本らしくなく、物質感を感じる事が出来るような方法を過去の実例を参考にしながら篠原より提案させていただき、意見を伺いながら最終的な仕様を決めていきました。

■技術説明
一番のポイントは、表1と表4に貼られている厚さ1cmほどもあるチップボールです。これは厚さ3.2mmのチップボールを3枚合紙したものをPUR製本した冊子の表1-4にベタ貼りしたもので、当社で得意とするドイツ装という装丁です。1枚3.2mm厚さのチップボールの3枚合紙は当社の過去経験のなかで最も厚い合紙になりました。合紙機で合紙する場合、紙と紙の間に空気が入ってしまいます。紙の間に入った気泡は紙の反りの原因となるので、気泡を抜くためにローラーのプレス機に通すのですが、今回の厚さはローラーの最大厚さをオーバーしているために手でしっかりとしごいて気泡を抜くという手間のかかる作業が必要でした。
製本の仕様は、厚い表紙であることから冊子の開閉時に本文にかかる負担を考慮し、強度のあるPUR製本を選択しました。PUR製本は、本の開きを良くするという利点もあります。
_N9A5946.JPG製本後の仕上断裁においてはチップボールが合計2cmにもなるほど厚いことから断截機にかかる負荷は大きく、通常の断截の仕方ではすぐに刃が欠けてしまいます。その為 刃が欠けにくい素材を使用した断裁機包丁の刃にて対応しました。

■その他
「Magma」公式サイト:http://magma-web.jp/ 
■アートディレクション担当 安田様、デザイン担当 遠藤様からのお言葉
この企画が始まった時、以前から安田・遠藤共にmagmaのファンであったこともあり、さらに打ち合わせを進めていくとさすがにアーティスト本人も熱い思いがこもっていて、こちらも前のめりにデザインに取り掛かりました。 アーティストmagmaの活動10年という節目に相応しい佇まいの一冊にと、図鑑や辞典のような、膨大な情報を手の内に納められる体験を物体として残したいと思いました。 存在感を優先して突飛なラフスケッチからスタートした装丁案でしたが、それを叶えたい気持ちに冷静な判断と的確な提案をくれたのが篠原紙工さんでした。デザインは理性的に情報としての機能を損なわないよう、しっかり実用性を兼ねたものにしたかったので、初期段階から製本のプロ・印刷のプロにご意見いただきながら進められたことがベストなものが繋がったのではないかとおもいます。 まるでコンクリートブロックのような圧倒されるような厚みの本ですが、magmaの作品と同じく、明るく軽やかに目を通せる内容と装丁に仕上がりました。多くの方に手に取っていただきたいです。

【仕様】
用紙:<表紙>NPCC♯42×3枚合紙
.   <本文> b7トラネクスト AY 50.5kg
.   <見返し> NTラシャグレー40 130kg
サイズ:188×128mm
製本:前後見返し+本文208P無線綴じ(PUR)、ドイツ装
加工:表1-4 デボス加工、3枚合紙
部数:2,000部

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