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書籍「GET BACK...NAKED 1969年、ビートルズが揺れた21日間」

制作年:
2017
クライアント:
三永印刷株式会社
技術名:
いいかげん折り、 PUR無線綴じ

_N9A3492.jpg■プロジェクト概要
既存のクライアントである三永印刷株式会社様よりいいかげん折りを本文にした無線綴じ(PUR製本)ができないかとのご相談をいただきました。実現できる仕様の条件をいくつか提示し、打ち合わせを繰り返すことで受注致しました。この冊子は、「ビートルズはなぜ、ゲット・バック・セッションをやることになったのか。そのいきさつと、ゲット・バック・セッションの実態、なぜアルバム『ゲット・バック』が幻となり、『レット・イット・ビー』に生まれ変わったのか、などの詳細ドキュメント。」~冊子の帯文より抜粋~ というテーマの、ビートルズ研究の第一人者、藤本国彦様による書籍です。

■技術説明
312頁の本文のうち280頁分は、紙をあえて斜めに折る当社独自技術の「いいかげん折り」のみで構成するというとても難易度の高い仕様でした。通常機械に斜めの形状物を流すことはなく、製本の常識を逸脱したものでした。候補になっている用紙にて、数種の角度のいいかげん折りを試し、更にその折り丁で丁合・PUR製本のテストを行いました。このテストから、丁合・綴じの工程で機械に流れる折り丁の天と地のどちらか一方が直線になっていないと機械の中で折り丁がズレてしまい、正しく丁合ができず、キレイに綴じる事もできない事が判明しました。いいかげん折りの数種類ある折り方の中から地側が直線になる8P折(十字折)を_N9A3489.jpg選択し、キレイに綴じられることを繰り返し検証しました。いいかげん折りの角度もテストした結果、2種類の角度を採用することに決まりました。テスト段階から、各工程での結果が出る度にデザイナーの方に報告をし、形状のイメージが常にできるように密な情報共有をさせていただき、束見本も数回作成し、イメージ通りの冊子になるよう何度も打ち合わせを重ねました。テストの回数を重ねた事で、本番時も難易度は高かったもののスムーズに各工程が進み、想像以上の仕上りの良さとなりました。

■その他
書籍の本文にいいかげん折りを使用したいというお話を伺った時からテストや束見本を作成している段階では本文をいいかげん折りにする理由がわかりませんでしたが、ビートルズのグループ崩壊のきっかけになった内容の書籍で、そのために不揃いで歪んだ本に仕上げる必要があるとお聞きしたときにいいかげん折りを使用する本当の意味を理解し、より実現すべきだと感じました。結果としては、おそらく世界で初めてとも言える装丁になり、当社の製本での表現の幅が広がりました。
■クライアント 三永印刷株式会社様 からのコメント
以前から篠原紙工さんのいいかげん折りには注目しており、この折り手法での書籍作成を企していましたが手法に見合うテーマを探しあぐねていました。今回牛若丸出版からのご用命で、ようやく実現の運びとなりました。
_N9A3366.jpg■デザイナー マツダオフィス/牛若丸出版様からのコメント 
造本コンセプトは「歪んだホワイト・アルバム」。ビートルズの「ホワイト・アルバム」は、ビートルズ各人のスタンド・プレーでできたアルバムでしたので、グループ崩壊の序章はこのときから。その意味を込めて、「不揃いで歪んだ」本にしたくなったのです。その結果、コンセプトにあった本になりました。こんな本はおそらく世界初ではないか、と満足しています。

【仕様】
用紙:<表紙>  スノーブルFS・#280LT 246.5kg
<本文>  モンテルキア 四六Y 81.5kg、OKアドニスW  四六Y 73kg 
サイズ:250×250mm
製本:312頁PUR無線綴じ(2種類のいいかげん折り) 
部数:1,600部  

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