_DSC6011.jpg

厚紙会社案内

制作年:
2015
クライアント:
愛宕倉庫株式会社
技術名:
合紙、抜き、折り

プロジェクト概要
_DSC6046.jpg「誰も見たことがないような会社案内を作りたい!」という熱い想いを持たれたクライアントが、ご自身で考案された仕様を実現できる印刷会社を探していらっしゃいました。その仕様は、厚さ約2mm程度の厚紙を変形に折りたたむというもので、どの印刷会社へ問い合わせても難色を示されてしまっていたようです。取引先からのご紹介により、デザインプランナーの方が篠原紙工へ相談に来られました。お話しを伺ったところ、簡単ではないものの、クライアントの熱い想いと難しい仕様へ挑戦したいという篠原紙工の熱い想いが重なり、引き受けさせていただきました。
・紙の厚さの解決:約2mmの厚さは合紙にて対応可能。
・折りの解決:紙が厚い為 スジを入れて折ったとしても、キレイには折れない。クライアントは折りたたんだ時に、1枚の紙のようにフラットになる事を求められていたので、スジはNG。その為 折り加工の一部を抜きにて対応可能。折り目の中芯の一部が中空きとなるような抜きの技術を採用。厚紙を折りたたむ事は容易ではないですが、試作で最適な作業方法を見つけられる自信はありました。
希望された仕様を実現させる為、加工工程を細かく分け、問題点を1つ1つ解決していけば必ず完成するという自信の基、試作製作に取り掛かりました。

技術説明
紙の厚さと 抜き加工で折り部分 は、最初のシミュレーション通りの方法にて成功する事を試作にて実証。(合紙と抜きの工程を何度かに分けた複雑な工程によって完成させました。)しかし最後の折り加工の段階で壁にぶつかりました。機械を使用して折ると精度の高い綺麗な折りとな_DSC6027.jpgりますが、今回は機械では不可能な仕様の為、職人が手折りにて完成させる手順を選択しました。手折りになると機械で折る時より折りの精度は落ちてしまいます。 折りたたんだ先がズレず隙間も空き過ぎず均等に且つ重ならないようにする事が最大の難関でした。そこは職人の紙に慣れ親しんだ手だけを頼りに完成させていきました。職人の「いままでにないモノを作る!」という強い気持ちが完成への道を切り開きました。
各工程全てに高い加工精度・技術が求められるものでしたが、取引している外注先の協力と職人の気力により折り目が膨らまない綺麗な折りが完成しました。試作も何度も行い、工程の組み合わせを工夫し最良の作業手順を本番で踏む事が出来ました。

その他
■クライアントの愛宕倉庫株式会社 江原様からのコメント
およそ20年ぶりに会社案内を改訂するプロジェクトをスタートさせた時、まず「今までに世の中にない会社案内を作る」ことを考えました。同時に、「手に取った瞬間に一瞬で驚くようなものにしたい」という強い想いを持って取り組みました。ホームページなどで容易に情報収集出来る今の時代だからこそ、改めて会社案内の価値を今一度見直したい、そして「モノ」としての会社案内を大切にしたいと考えました。コンセプトを決めるにあたり、多くの社員の声を聞きました。対話の中から社員が会社案内に求めていたものは、「会社の顔として誇れる、シンプルでありながらインパクトのあるもの」でした。これをカタチにするために様々なデザインを考えた結果、今回の仕様となりました。会社案内は通常、お客様へ会社を紹介するために利用するものですが、まず最初に社員の手に届けたいと強く思っていました。なぜ_DSC6020.jpgならば、会社を支えて頂いている当社の社員が家族や友人、恋人などに自分が働いている会社について胸を張って説明出来るものにしようと考え、また、まもなく創業70年を迎える当社がこれまで何を大切にして社会の中で事業を継続出来たのか、そして30年後の創業100年に向けて何を大事にこれから取り組むかをメッセージにしました。この作品には多くの方の協力なくしては為し遂げられませんでした。完成までに多くの難しい要求にも決してあきらめることなく、私たちの想いの実現に向けて取り組んで頂いた皆さんのおかげであると心から感謝をしております。本当にありがとうございました。 
デザインプランナー 丸橋様からのコメント
これまでにないような、というオーダーを受けることは珍しくありません。しかし、今回の依頼主は心からそれを望んでいらっしゃいました。クリエイターと何回も何回も絵を描きながら議論とスケッチを重ね、具体化の過程でも多くの予期せぬ壁に当たりました。しかし、最終的にはメッセージ性、展開性、色彩、手触り、重さなど、あらゆる要素が立体的に重なり合った、これまでにない会社案内となったのではないかと思います。 

[仕様]
用 紙 : OKミューズガリバーマット135kg+フリューサンド
印 刷 :4c+特色+ニス
加 工 :4枚合紙、抜き加工
製 本 :変則折り
作成部数:3,500部 

Back to TOP