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パン型メッセージカード

制作年:
2016
クライアント:
NECKTIE design office
技術名:
厚紙印刷、合紙、レーザーカット

bread_5.jpg■プロジェクト概要
食パンのような見た目と触感、軽さのメッセージカードを作りたいとの相談をNECKTIE design officeのデザイナー千星様より承りました。ふわふわした感触で通常の用紙よりも重さの軽い用紙に食パンの絵柄を印刷、合紙して厚みを出し、食パンの形状に抜くという工程を経て完成させました。 

■技術説明
まず最初の用紙の選定にかなりの時間を要しました 。通常市販されている厚紙では紙が固くなり、食パンのようなふわっとした感触を得られなかったからです。そんな中、クライアントの千星様より一般市場には流通していないフワットライトという特殊な超低密度工業用紙を見つけてきてくださり、先に進むことができました。この用紙は厚さが1mmあるにもかかわらずかなり軽量でクッション性にも富んだ今回の案件にはピッタリとくるものでした。直ちに用紙を取り寄せ、印刷工程へと移りました。ロットによって紙の厚さにバラツキがあり、印刷した絵柄が沈んでしまい希望通りに絵柄が印刷されないなど、かなり難易度の高い印刷でしたが 今回印刷を担当してくださった株式会社アイワード様の高い技術力と機械をカスタマイズしてまで挑戦してくださった事でカードを印刷することに成功しました。
bread_7.jpg次に印刷した紙を合紙し食パンらしい厚みを持たせる工程に移りました。ここで難関だったのが、断裁でした。今回の紙がスポンジのように軽くクッション性に富んでいるので断裁機で圧力を掛けると潰れてしまって綺麗に断裁出来ません。その為
断裁機の圧力を下げて、紙も少量ずつ時間をかけて根気よく断裁して必要なサイズに裁ち落としました。
次の工程は紙の厚さを出す為に2枚を合紙です。やはり同じ理由で合紙機の圧力で潰れないように気を使いながら慎重な作業を要しました 。
最後に厚みの出たフチの部分に焦げ目を付けて、焼けたパンのような感じを付けました。これは、レーザーカットにて抜きを施していったのですが、
わざと焦げ目が付くように通常よりもスピードを落として作業をした為、この工程でも通常よりもかなりの時間を要しました。
各工程も複雑な加工ではないのですが、通常の製本とはほど遠いクッション性の紙の扱いに苦労した案件でした 。

bread_8.jpg■その他
このカードは、食パン型のメッセージカードの他、このパン型カードに文字のカードを挟むという面白いコンセプトの元、クライアントのNECKTIE design office様のウェブサイト、こちらにて販売しております。
誰かのためにサンドイッチをつくるとき、なんだかちょっと特別な気分になったりします。ピクニックだったり、デートだったり、ちょっとウキウキする時間。美味しく食べてもらいたくて、たくさんの中から具材を選び、パンをぎゅっと挟む。WORDS SANDWICHというこの商品は、そんなサンドイッチをつくるときの気持ちを、カードに置き換えたデザインのプロダクトで、食材の名前が書かれたアルファベットのカードを選び、LOVE、THANKS、BLT、EAT、相手のイニシャルなどの言葉をつくって、最後にパン型のカードに挟んで、言葉のサンドイッチメッセージをつくります。具材をかさねていくとともに、気持ちも重ねて、メッセージを届けます。
bread_2.jpg■クライアントからのコメント(千星様) 
今回は難易度の高い商品だったので、技術的にも一番安心できる篠原紙工さんにかなり早い段階でご相談しました。当初はトムソンで型抜し、小口をコバ塗りしようと思っていたのですが、「パンだしレーザーで焦げ目つけて焼いて抜いたら、抜きとコバ加工が1工程でできるよ」と瞬時にご提案いただきました。やばいなー、それ。本物の焼き目つけるとか、面白すぎるわ~。とは言え実際に加工が始まると問題が続出、、、そのたびに途中でサジを投げられんじゃないかと内心びくびくしながら完成を待ちました。特に用紙はこちらで手配させていただいた一般に印刷では流通していない工業用紙だったので、何もかもが初めて。印刷できない、切れない、焦げ目がつかない、と難題ばかりでしたが、試行錯誤をかさねながら丁寧に製作いただきました。おかげで素晴らしい完成度で仕上げていただき、本物のパンのようなふわふわな感触の、小口もこんがり焼けたカードが完成しました。本当にありがとうございました。 

【仕様】
用紙:フワットライト
加工:2枚合紙、レーザーカット 

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